【水戸ママ有志の会】2012.12.19.水戸市長と面会(甲状腺検査等を求める要望書・署名4,440筆提出)の報告

12月19日(水)午後、水戸ママ有志の会から水戸市の高橋靖市長

「水戸市の子どもたちを放射能から守る対策として甲状腺エコー検査等を求める要望書」署名4,440を提出しました。 

 

約30分の時間内で、水戸市内の6人の母親とお子さん一人と高橋市長とで面会することができました。 

 

要望内容は以下で、要望書としては、回答を平成25年3月末を目途に文書でいただけるよう求めています 

 

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(1)水戸市内に居住する、原発事故当時18歳以下の子どもの甲状腺エコー検査や血液検査等の健康検査を当面10年間、継続的に受けられるための支援制度を早急に確立し、その後の検査の継続については検査結果のデータから判断すること。また、その検査結果については、保護者に詳しく報告し、異常が見られた場合は二次検査を受けられる体制を整えること。  

 

(2)水戸市で精密な食品放射線測定が行えるよう、ゲルマニウム半導体検出器を設置し、水戸市内の各小中学校・幼稚園・保育施設の給食で使用される米・麦・牛乳の測定を行うこと。

 

(3)給食に使用する米・麦・牛乳は10Bq/kg以下のものとすること。さらに、来年度からは、5Bq/kg以下とすること。また、自校調理の園や学校から食品測定の要望を出しやすくするため、市は、保護者向けに要望書の様式を作成の上、園や学校から保護者に配布し、献立で心配な食材があれば、前もって測定の要望を提出すれば測定可能であることを毎月、献立表に併記するなどして保護者へ周知させること。食品測定や食材輸送の体制を強化すること。

 

(4)空間放射線量の測定については、機材や人を増やすなどして、市による測定の拡充と、ホットスポットを除染する体制の強化をすること。また、市ホームページ上で測定した数値を公開するだけでなく、市によって除染が行われた場所については、ホームページ上で、特に除染したことを示し、除染前と除染後の数値を明記すること。

 

(5)原発事故が起きた場合に備えて、安定ヨウ素剤を水戸市内の各地域の学校や、病院、市民センター等できる限り早急に受け取れる場所に備蓄し、非常時に住民がどこへ受け取りに行くとよいかを、市の防災マニュアルやマップ等へ含めて明らかにすること。

 

(6)震災が発生した場合、原発事故発生の可能性も考慮して、子どもを放射線から守る体制を整えること。水戸市内の各小中学校・幼稚園・保育施設においてそれぞれ放射線測定を行い、異常な値が出た場合は、校長・園長の判断で屋内退避を徹底させ、備蓄したマスク・雨合羽・傘を配布する等の対応をとること。

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子どもの甲状腺エコー検査については、高橋市長のほうでも水戸市保健センターに18歳以下の子どもたち全員が一人1回検査を受けた場合の金額を試算させ(1回3千円として)、1億4千万円かかるということが分かっているそうです。 

 

また、市長は、県立こども病院の専門家の先生に話をうかがうなどして、検査を行う必要性(福島県とその他の県での検査結果を比較し、異常の差があるのかどうか)、検査を始めるならいつからが良いか、2年に1度か、毎年行うか…等客観的な情報を集めつつ、検討しているとのことでした。 

 

会のほうからは、「子どもたちの健康のために、ぜひ早々に検査を行ってほしい。年1回の実施を希望する」とお願いをしました。 

 

 

給食について、自校調理の学校(市内5中学校、全小学校)について食品測定の機会を増やしてほしいこと、幼稚園・保育園については幼稚園や保育園の方が給食や食品を検査所に持って行かなければならないため、検査をしやすいような体制にしてほしいこともお願いしました。

 

市長は、民間の幼稚園・保育園に検査の頻度を上げるよう義務付けたりすることはできないけれど、幼稚園連合会などを通じて相談してみたいと話されました。

 

そして、水戸市立の幼稚園で検査の機会が少ないところがあったのですが、そちらに対しても検査を増やせるよう、市内3台の食品測定機器(給食・JA・家庭菜園の野菜等を測定)の稼働状況を調べたりして検討するとのことでした。

 

給食に使用する米・麦・牛乳10Bq/kg以下へ、そして5Bq/kg以下へと求めていますが、水戸市としてゲルマニウム半導体検出器(非常に高価)を購入できるのか、それとも、水戸市内にある薬剤師会が持っている検出器を使わせてもらえないか、また、検査する場合、給食用に一括で買うお米(コシヒカリ)の段階での検査がいいのか、給食として測定するのがいいのか、等検討するそうです。

 

 

安定ヨウ素剤の備蓄や配布は、水戸市は全域がUPZ(緊急時防護措置準備区域。原発事故が起きた場合、屋内退避が必要な防災対策の重点区域。水戸市は東海村にある東海第2原発から30キロ圏内)に入るため、国の指針に従い、安定ヨウ素剤も準備することになり、常澄地区の場合は、大洗町にある高速実験炉「常陽」から8キロ圏内分の安定ヨウ素剤は市民センターに以前から備蓄してあったそうですが、もし実際に原発事故が起きた場合、対象者が皆、適切な時期に受け取れ、服用できるのか、市長もなかなか難しいのでは…と考えられているようでした。

今後も、どこが備蓄場所になるのか等を検討するそうです。

 

 

原子力事故に備えた防災対策もお願いしました。水戸市内の小学校の場合、災害時は親が子どもを迎えに行くことになり、多くは徒歩などです。市長も「原子力災害の場合は屋内退避が最もよいのだろう」と話されていました。その状況に適した対応を取っていただきたいと思います。

 

 

甲状腺検査について、福島県から避難されている方は、現在は福島県まで行って検査を受け、もし、再検査になった場合も、また福島県まで行かなければならず、子どもさんは学校を休んで検査へ行くそうです。避難されてきた子どもも住んでいるこちらで検査が受けられないか、という話も出ました。市長が言われるには、「もともと避難者を想定した制度ではないのかもしれず、その予算が国のものかか福島県のものか分からないが、どこで検査を受けてもその予算が使えれば本当は問題がないのだろう…」ということで、会としては水戸に避難されて来た方が水戸で検査が受けられれば、ということを再度お願いしました。

 

市立幼稚園の給食ですが、県外産のものでもシイタケなどを子どもに食べさせるのを躊躇する母親もおり、測定の機会を増やしていただけるよう、再度お願いしました。

 

水戸市から回答が来ましたら、また記事を更新いたします。

 

 

今回の署名や署名活動にご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

情報の拡散もしていただき、心より感謝申し上げます。

短期間での4,440筆という数には、メンバー皆で喜びました。ありがとうございます。

 

会のメンバーの皆さんも、お疲れさまでした。