2014年4月17日、原電による周辺11市町村の首長への説明会。周辺首長、判断見送り(住民説明が必要)。

 

(※3月17日の原電と周辺自治体との覚書締結後~4月17日の原電の首長らへの説明会までの間の記事(3月水戸市議会定例会(特定秘密保護法に関する陳情の結果等)、市長への12月の要望書に対する水戸市からの回答等)については、追って順次更新しますので、もうしばらくお待ちください。)

 

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 原電は、3月の周辺自治体との覚書締結後から、懇談会自治体や懇話会自治体の担当者への説明会を進めてきて、4月17日には原電による周辺11市町村の首長らへの説明会と、首長らによる協議が行われました。

 この説明会について、一部報道で「原電による説明を首長らが容認し、その後、東海第二原発の再稼働審査の申請が提出される」という予測記事が出回ったため、説明会当日には茨城県内外の各地から東海第二原発の再稼働や適合審査(報道では安全審査と呼ばれるが「適合審査」が正式名称らしい)に反対する住民が大勢、会場に集まり、【緊急抗議・要請行動】を行いました。そして、「安全協定枠組み拡大の実現」要望や、「再稼働につながる適合審査申請に反対」、「住民全員が無事に避難できる避難計画など絶対に立てられない」等の訴えを、原電や自治体に対して猛アピールしました。

 この日の協議の結果、首長らは 「住民に説明責任が果たせない」とし、覚書に基づく申請容認を保留しました。

 

以下、2014年4月18日付茨城新聞と東京新聞の記事です。

 

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「周辺首長、判断見送り 東海第2安全審査申請 住民説明が必要」

(茨城新聞 2014年4月18日(金))

 

東海第2原発(東海村白方)の再稼働をめぐる国への安全審査申請に向け、日本原子力発電(原電)は17日、東海村や水戸市など立地・周辺11市町村の首長に対する説明会を同市内で開いた。首長側は「住民に対する説明が必要」として申請を容認するかどうかの判断を見送り、住民への情報提供などを柱とする五つの申請条件を原電に求めた。

原電に対し、首長側は(1)安全審査は再稼働に直結しない(2)安全協定の見直しを申請後、速やかに行う(3)申請内容について住民に情報提供する(4)原子力規制庁の審査状況を逐一報告する(5)使用済み核燃料などの監視体制の強化-の5項目を申請の条件として提示、原電に回答を求めた。

説明会終了後、水戸市の高橋靖市長は「申請内容の説明を受けたのは首長と事務方だけで、議会や住民は何も知らない。あらゆる媒体を使い情報提供してほしい」と指摘した。

東海村の山田修村長は「申請を否定するものではない」とした上で、「首長に説明したからそれで良いとすり替えられてしまうのは不本意」と住民への説明の必要性を強調した。

原電はこれまで、申請内容に関し「中身が確定した段階で公表したい」として、申請前の公開を一貫して拒否。この日の首長側の要求は、情報開示に消極的な原電の姿勢を強く問題視した格好だ。

申請を容認する条件について、高橋市長は「(要求に対し)原電が納得できる回答と住民に開示できる資料を持ってきた時点で了承する」と述べた。

原電の山本直人・茨城総合事務所長は「開示できる情報を整理し、情報提供の内容と手法を早急に検討する」とし、申請時期をめぐっては「(各自治体の)理解を得た上でのこと。とやかく言えることではない」と言及を避けた。

説明会には、原子力所在地域首長懇談会(座長・山田村長)と県央地域首長懇話会(座長・高橋市長)を構成する11市町村のうち東海、水戸、日立、ひたちなか、那珂、笠間、小美玉、茨城、大洗、城里の10市町村長が出席。常陸太田市は副市長が参加した。

原電は二つの首長会との間で3月、安全審査申請前に各市町村に内容を説明し、理解を得るなどとする覚書を締結した。
(戸島大樹)

http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13977585087836

 

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「「住民に説明できない」 東海第二 適合審査申請」

(東京新聞 2014年4月18日付)

 

「住民に説明責任が果たせない」-。東海村の東海第二原発再稼働を目指す日本原子力発電(原電)が、十七日に水戸市で開いた適合審査申請の説明会。出席した原発立地・周辺自治体の十一市町村長らは、説明資料を秘密事項とされたことに難色を示し、三月に交わした覚書に基づく申請容認を保留した。原電の思惑は外れ、申請に向けた協議は仕切り直しとなった。 (妹尾聡太、林容史)

 非公開で行われた説明会と関係首長による協議の終了後、首長を代表して取材に応じた高橋靖水戸市長と山田修東海村長は、適合審査申請を現時点で容認しないと説明。原電が申請内容の開示を認めないため、首長として各市町村の住民に説明できないことを理由に挙げた。

 この日の原電との協議で首長側は、申請を認める条件として、申請前に適合審査について住民に情報提供することや、申請後は速やかに安全協定を見直すことなど五項目を口頭で要請した。近く正式に申し入れる。

 情報開示の方法や内容は申し入れに明記せず、原電に委ねることにした。納得する回答を得られた時点で了承する方針という。

 高橋市長は申請内容を「理解できた」としつつ、「現時点では事務方と首長が聞いただけで、住民や議会は何も知らない。全て開示できなくても、できるだけ開示するべきだ」と努力を求めた。

 山田村長も「申請前に住民に情報が届かず、首長だけというのは不本意だ。原電にはきちんと対応してほしい」と主張した。

 首長らとの協議後に取材に応じた原電の山本直人常務は、情報開示の求めに対して「住民に出せる情報について早急に整理し、出せるものは出していく」と、ある程度応じる考えを示した。

 資料の使用を拒否した理由については「確定した内容ではない。確定内容で説明するのが本来のあり方で、内容が変わっていくようでは原電の申請書の作り方に懐疑を持たれる」と釈明。「ここで理解をいただかないと申請できない」と述べ、覚書を順守する姿勢を強調した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20140418/CK2014041802000166.html