(※2013年12月、水戸市と周辺市町村の住民から水戸市長へ提出した要望書に対し、2014年3月に水戸市から届いた回答を転記します。公開が大変遅くなり、申し訳ありません。2014.11.10)
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《※転記者より注1。回答全文とも原文ママ》
相談832号
平成26年3月6日
水戸市民及び周辺市町村住民有志一同
代表 希望のたね・みと殿
水戸市長 高橋 靖
(みとの魅力発信課扱)
水戸市及び茨城県中央地区の住民を放射能から守る対策として、日本原子力(株)に対し、原子力協定の枠組み拡大を強く求めていく等を求める要望書(回答)
平成25年12月10日付で提出していただきました標記の要望書について、別紙のとおり回答いたします。
<問い合わせ先>
水戸市市長公室みとの魅力発信課
市民相談室
担当 大和敦子
Tel.029-232-9109
---------------------------------------------------------------------------《別紙》
【回答】
(1)日本原子力発電所(株)に対し、東海第二発電所との原子力安全協定の枠組みを東海村のみならず、周辺市町村へ拡大し、枠組み内の市町村が日本原子力発電(株)に対し同等の権限をそれぞれ持てるように強く求め続けていくこと。
【回答】 担当:政策企画課・地域安全課
東海第二発電所につきましては、本市はもとより原子力施設周辺地域の一体的な安全確保を重要課題として捉え、「県央地域首長懇話会」として、日本原子力発電(株)に対して、原子力安全協定の枠組み及び所在自治体と同等の権限への引き上げを要望しているところであり、引き続き、安全で安心して暮らせる環境確保に向けて、周辺自治体と連携し協議を重ねてまいります。
(2)水戸市内に居住する原発事故発生当時18歳以下の子ども達が、甲状腺検査や血液検査等の健康検査を継続的に受けられるための支援制度を確立すること。また、子どもの健康検査を国の費用負担で行えるよう、水戸市を「子ども・被災者支援法」の支援対象地域に指定することや、同等の扱いとなるよう国へ強く求め続けること。
【回答】 担当:保健センター
放射線被ばくによる健康調査につきましては、平成25年10月に公表された「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」に対するパブリックコメント結果において、政府は、「福島県外でも健康調査をすべき」という意見に対して、福島県の近隣県における有識者会議において、科学的には特段の健康管理は必要ないとの結論がでていること、あわせて、WHO及び国連科学委員会の報告書における、放射線に起因する健康影響については、増加が認められる見込みはないとの評価を踏まえ、当面は、福島県民健康管理調査を実施するとともに、新たに有識者会議を開催し、今後の支援のあり方を検討するとの見解を示しております。
このため、本市におきましては、こうした国の動向を注視しながら、今後の対応を検討するとともに、引き続き、公共施設における空間放射線量の測定を行い、市民にお知らせしてまいります。
(3)東海村にある日本原子力開発機構(JAEA)の東海再処理施設に対し、万全で十分な津波対策を実施するよう求めること。
【回答】 担当:地域安全課
東海再処理施設につきましては、東日本大震災時、津波による敷地内の浸水はありませんでしたが、福島原発の事故を受け、使用済核燃料貯蔵、高放射性廃液貯蔵、プルトニウム溶液貯蔵に対し、冷却機能の強化などの安全機能の充実を緊急的に実施し、今後も電源確保や浸水防止策などの長期的な安全対策を図っていくとのことでありました。
本市では、さらなる安全管理体制の徹底を強く求めてまいります。
(4)平成25年5月23日J-PARCで発生した放射性同位体漏えい事故について、事故の説明会は東海村でしか実施されなかったが、水戸市においても説明会を実施するようJ-PARCに求めること。
【回答】 担当:地域安全課
J-PARCセンターでは、事故後の取組に関する住民説明会を3回(アトムワールド、真崎コミュニティセンター、リコッティ)実施しております。いずれも開催地は、東海村でありましたが、対象を東海村民に限ることなく開催したとのことでした。
現在もホームページに説明会資料をはじめとする事故関連情報を掲載するとともに、専用のホットラインを設け、電話での質問にも応じており、内容等の不明な点があれば取組状況をまとめた資料を提示するなど個別に対応していきたいとの意向でありました。
(5)原子力災害時の避難計画について、市民全員が安全に速やかに避難できる経路と避難方法を確実に確保・整備し、避難先の確保も行うこと。
【回答】 担当:地域安全課
広域避難計画につきましては、広域的に発生が予測される原子力災害では、原子力施設周辺の住民等に対する放射線の影響を最小限に抑える防護措置を講じながら、原子力施設周辺の市町村が連携を図り、効率的かつ効果的に住民を避難させることが重要であると考えております。そのため、茨城県、県内の市町村、防災関係機関、警察などと協議を重ねながら、広域的な避難計画の策定を進めているところです。
(6)安定ヨウ素剤の配布・保管法・服用方法について、市民の不安にならないよう市民の納得いく方法にすること。
【回答】 担当:地域安全課
本市では、現在、40歳未満分(市内約11万人分)の安定ヨウ素剤を水戸市保健センターと常澄保健センターの2箇所で備蓄するとともに、定期的に点検を行い適正に維持管理しております。
配布等の具体的な対策については、原子力災害対策指針や原子力規制庁が取りまとめた解説書などにおいて、安定ヨウ素剤の配布・服用の基本的な考え方や方策が示されたことから、事前準備、緊急時の対応、対象年齢の見直しによる追加配備などについて本市の地域実情に即した実効性のある対策について、県と協議を進めているところです。
(7)水戸市内の小中学校・幼稚園・保育施設の給食について、食品放射線測定の頻度をあげること。水戸市のHPに検出限界値も記載すること。また、県に対し、ゲルマニウム半導体検出器により学校給食の食品放射線測定を継続して実施し、記録を残していくことを求めること。
【回答】 担当:学校教育課・幼児教育課
現在、本市小中学校、幼稚園及び保育所においては、原則、給食実施日は毎日、サンプリングにより、給食食材の放射性物質の測定を実施しております。この測定は厚生労働省による食品中のセシウムスクリーニング法に基づき基準値を100Bq/kg、測定下限値を25Bq/kgに定めて実施しております。また、万が一、放射性物質が高い値で検出された場合に該当する食材の使用を止める条件として、本市では、厚生労働省による基準値とは別に50Bq/kgという基準に設定しております。現在のところ、放射性物質の測定結果により献立の変更、給食の停止に至った例はございませんが、引き続き、そのような測定結果が確認された場合には、速やかに該当食材の使用を中止するなど、給食食材の放射性物質の値に注視した体制をとってまいります。
とりわけ学校給食については、平成25年度は茨城県教育委員会で実施している学校給食モニタリング事業による、ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメトリーによる各種分析法で、それぞれ年3回の検査を実施しております。検査結果はいずれも検出されず、県のホームページでも公開されております。平成26年度も、本制度を活用し継続して実施してまいりたいと考えております。
今後とも給食食品の放射性物質の値に注視し、児童生徒等の健康に留意した体制をとってまいります。
(8)水戸市内の各小中学校・幼稚園・保育施設における校庭の園庭の土壌測定を実施し、その結果を水戸市HPで公開すること。
【回答】 担当:地域安全課
本市では、国のガイドラインを踏まえ、学校の校庭などの生活空間としての代表的な場所等においては、空間放射線量を測定し、その測定結果に応じて、部分的に表土の入れ替え等の低減策を講じております。
現在も、小・中学校、保育所、幼稚園、公園など500か所以上の施設等の空間放射線量を定期的に測定するとともに、さらなる不安軽減を図るため、平成23年12月から、各家庭の空間放射線量の測定を実施しており、測定結果をホームページ等により公表しております。
今後も、継続して空間放射線量の測定を実施し、市の現状をお知らせするとともに、子どもたちへの配慮を第一に考えた対応に努めてまいります。
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