茨城県による広域避難計画案の叩き台に関する水戸市議会総務環境委員会での議論(平成26年8月25日分)

平成25年8月27日、

生活クラブ生協まち水戸北・まち水戸南「放射能汚染を考えるチーム・みと」から

「水戸市地域防災計画(原子力災害対策編)策定に際し、市民への迅速な通報連絡体制を整えることや、東海第二原子力発電所の再稼働の中止と廃炉を求める意見書を採択することについての陳情」http://goo.gl/yRf2pI

という陳情が水戸市議会へ提出されてから、現在までずっと継続審議になっています。

 

今年8月(H26.8.8)、付託先の総務環境委員会の江尻委員が、この陳情に絡み、茨城県の広域避難計画案に関する資料等を市の執行部に求められたそうで(録画中継は後ほど確認します)、

その次の回の委員会(H26.8.25)から、県による広域避難計画案の叩き台に関しても、内容について議論されるようになりました。

 

今回、総務環境委員会の録画中継を視聴し、該当部分の書き起こしをしてみましたので、録画中継と併せてお読みください。

※市議会の録画中継は公式記録ではなく、後ほど更新される「委員会会議録」が公式だそうです。

(会議録のほうは公開されるまでに割合時間がかかるようですので、非公式ですが書き起こしをして、こちらに公開しておきます)

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水戸市議会 録画中継

http://www.discussvision.net/mito/2.html

→平成26年

→総務環境委員会

(委員長:田口米蔵、副委員長:鈴木宣子、委員:小泉康二、飯田正美、須田浩和、伊藤充朗、江尻加那(2014.11.19現在)

→8月25日開催

12:0951:52


田口米蔵委員長:

「次に(2)の平成25年陳情第5号「水戸市地域防災計画(原子力災害対策計画編)策定に際し、市民への迅速な通報連絡体制を整えることや、日本原電・東海第二発電所の再稼働の中止と廃炉を求める意見書を提出することについての陳情」についてでございますが、」


 (※注

陳情第5号(25.8.27受理)

「水戸市地域防災計画(原子力災害対策計画編)策定に際し、市民への迅速な通報連絡体制を整えることや、日本原電・東海第二発電所の再稼働の中止と廃炉を求める意見書を提出することについての陳情」

(付託委員会:総務環境委員会)

(付託した議会:平成25年第3回定例会)

http://www.city.mito.lg.jp/gikai/003414/3667/p012456_d/fil/H25-3bunsyohyo.pdf )


(※注:上の陳情から陳情項目のみ抜粋:

《陳情項目》

1 市民に対し,原子力事故の危険性を周知し,災害時にもパニックにならないような広域避難計画の策定と,情報を隠さず,迅速に知らせる体制をつくること。

2 水戸市として非常用電源設備搭載のモニタリングポストを設置し,日ごろから市民がボランティア等で,モニタリングポストの数値の確認や,情報発信業務に携わることができるようにすること。

3 市民の声を反映し,水戸市と水戸市民が一体となった市民参加型の防災体制を築くこと。

4 日本原電・東海第二発電所の再稼働の中止と廃炉を求める意見書を,貴議会より茨城県及び国に提出すること。 )

 

田口米蔵委員長:

「始めに8月8日の委員会において請求をいたしました資料につきまして、執行部から説明を願います。はい。高野市民環境部地域安全課長。」

高野市民環境部地域安全課長:

「はい。広域避難計画につきまして、地域安全課提出資料によりご説明いたします。

茨城県地域防災計画に基づく県広域避難計画を策定するため、県の原子力安全対策課が主幹となりまして、県内市町村、警察、防災関係機関が連携いたしまして検討する場として茨城県広域避難計画に係る勉強会がこれまでに11回開催されたところでございます。その中で様々な課題事項について議論を深めておりまして、このたび、別添資料のとおり避難先案が県から示されたところでございます。

ページを返していただきまして2ページ、および3ページが8月6日の県知事の記者会見で発表された資料でございます。」

 

(※注

知事定例記者会見における発言要旨(平成26年8月6日)

○広域避難計画について

http://www.pref.ibaraki.jp/hodo/press/14press/p140806.html

※資料:広域避難計画に係る避難先案について

http://www.pref.ibaraki.jp/hodo/press/14press/20140806.pdf )


高野市民環境部地域安全課長:

「県の広域避難計画の基本的な考え方といたしまして、東海第二原発から30キロ圏内の14市町村の約96万人を避難対象として、30キロ圏外の30市町村へ約44万人、隣接する5県へ約52万人を避難させるものであります。避難先の市町村の体育館や公民館などの収容能力を一人当たり2平方メートルで積算して、避難先がなるべく分散せず一体的なまとまりを確保しつつ、それぞれの市町村からの避難経路が交錯しないよう配慮して避難先として示された案が2の表となります。

水戸市につきましては、つくば市から古河市にかけての県内9市町およびその隣接県が示されたところでございます。3の今後のスケジュールといたしましては、これを叩き台といたしまして協議検討を加え、今年度末までに県広域避難計画を策定するとしております。3ページの地図は30キロ圏内の市町村の茨城県内への避難先を色別に示したものでございます。ページを返していただきまして、4ページが8月18日の茨城県地域防災計画改定委員会原子力災害対策検討部会で発表された資料でございます。」


(※注

茨城県地域防災計画検討委員会の開催状況

○原子力災害対策検討部会

<平成26年度>

○第1回検討部会

日時 平成26年8月18日

場所 水戸合同庁舎 2階 大会議室

http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/gentai/nuclear/bosai/06.html

議事録(PDF

http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/gentai/nuclear/bosai/260818kenntoubukai/260818giziroku.pdf

議事次第(PDF

http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/gentai/nuclear/bosai/260818kenntoubukai/260818shidai.pdf

検討部会名簿(PDF

http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/gentai/nuclear/bosai/260818kenntoubukai/260818meibo.pdf

配布資料

・茨城県広域避難計画(案)の策定について

http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/gentai/nuclear/bosai/260818kenntoubukai/260818hinannkeikaku.pdf

・広域避難計画における避難先案 について

http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/gentai/nuclear/bosai/260818kenntoubukai/260818hinannsaki.pdf )


高野地域安全課長:

「水戸市に関する部分でご説明いたしますと、市内を小学校区単位の全部で8ブロックに分けまして、それぞれ最寄りのインターチェンジから北関東自動車道を利用して県西方面および隣接県へ避難する案が示されています。説明につきましては以上でございます。よろしくお願いいたします。」

田口米蔵委員長:

「それではご意見等がございましたら発言をお願いします。」

「はい。江尻委員。」

江尻加那委員:

「はい。私どもに出されているこの陳情に関して言いますと、水戸市の地域防災計画、とりわけこの原子力災害の対策計画に対しては、市民に実際に万が一の事故が起きた時に避難をしなければならない、命じられるのは市民でありますから、その市民に対して原子力事故の危険性を周知して広域避難計画もしっかりと作ってもらいたい、迅速に通報連絡体制が取れる体制も作ってもらいたい、色々、陳情の中に書き込まれております。

この陳情が出されたのは去年の8月ですから、まだこうした茨城県の広域避難計画の叩き台案すらできていない状況の中で、福島原発事故の実態を見れば、事故が起きても安全に避難できるなんていう事はありえない。特に水戸市は27万人という、本当に福島を超える圧倒的な人口を有しているこの水戸市が一体どこに避難しろと、県は叩き台を出してくるのかということをずっとこの間、色々な経過を踏まえて、出されてきたわけですけれども、これは初めて茨城県として公式に知事から出された避難計画の案、これが最初だということで受け止めてよろしいのか。それがまず1点と、

水戸市はこの案を叩き台にして今後どのようなスケジュールで水戸市の独自の避難計画を作ろうということにしているのか。これが2点目。

あと、茨城県においてはこの検討部会を設けて避難計画について検討を重ねているわけですけれども、水戸市もこうした専門の検討部会などを今後作って避難計画の策定を進めていこうとしているのか。その3つについて、まずお答えいただきたいと思います。

今のこの少ない資料だけ見ますと、一点だけでも言うと、高速道路インターチェンジが使えなければもう終わりですね、という風に受け止めざるを得ないのですけれども、それ以上のことをどこまで考えているのか。そういった色々な疑問や問題点がいくらでも出てくるわけですけれども、最初にお聞きしました基本的な3点について教えてください。」

田口米蔵委員長:

「はい。高野地域安全課長。」

高野地域安全課長:

「はい。ただいまの江尻委員のご質問ですが、まず最初のご質問ですけれども、今回これが県のほうから具体的に示されました叩き台としての最初の案でございます。

それから、今後の市のほうのスケジュールでございますが、県のほうが今年度末までに県の広域避難計画を策定するというスケジュールでございますので、UPZ内の各市、水戸市も含めて各市は、この県の広域避難計画に整合した形でそれぞれ独自の避難計画を策定していくことになりますので、来年度以降、水戸市も含めて各市町村の広域避難計画の策定というスケジュールになるかと思います。

それから、市の広域避難計画を策定するに当たっての専門的な機関ということでございますが、市としては地域防災計画の原子力災害対策編の中にこの広域避難計画を位置づけてまいりますので、最終的には市の防災会議の中に報告して議論いただくということで最終的に決定していくという形になるということでございます。」

田口米蔵委員長:

「はい。江尻委員。」

江尻加那委員:

「今、県が示したこの叩き台と整合性が取れる形で水戸市も策定作業を進めていく、来年度、その作業をやると。要するに一年間かけて来年度中にまとめるということなのか、それをまず確認したいのと、水戸市は市長がもう既に県外にも避難しろと、栃木、群馬、埼玉、千葉と。県だけの方向性だけは決まっていますけれども、市長はもう協定もいくつかの市と結ぶという具体的な取り組みも始まっていますよね。新聞でもそういうことが報道されましたけれども、この案が出されてからの具体的な水戸市の取り組みをもう一度まとめて、今どこまでどんな形で、今、市長は進めていらっしゃるのかお伺いしたい。

あとは、整合性を取ろうとして計画を作ろうとしても、とても県の叩き台では水戸市では無理だということは、私は必ずありうるという風に思っておりますし、水戸市民が九つの市町村、そして栃木、群馬、埼玉、千葉と、まとまりを持った一体的な避難というものには程遠い、とにかく分散、そしてバラバラになってしまうということじゃないかと思っておりますし、先ほど言うように避難先の自治体だけ決まっても、どうやって避難するルートや避難手段、災害の要援護者の方々、施設入所・入院患者の皆さんは一体どうするのかということは結局、水戸市で市町村がやりなさいよ、と。県は今日、資料としていただいたこの大枠だけが県の仕事で、ここから先は本当に市町村が責任を持って策定をするということになるのか、お伺いをしたいと思います。

これ以上はなかなか今のやり取りの中ではお答えしていただけない点もあるのかもしれませんけれども、この案が初めて県からこういった形で示されたということですので、今の水戸市のお考えをぜひきちんとうかがっておきたいと思います。」

田口米蔵委員長:

「はい。高野地域安全課長。」

高野地域安全課長:

「はい。ただいまの江尻委員のご質問でございますが、県のほうの広域避難計画を今年度末までに策定するということで、市としてもそれに整合した形で、同時進行しながらなるべく早期に策定していくということで来年度の策定を目指していきたいと考えております。

それから、県外の、先日、北関東の4市の市長の会議がございましたけれども、その中の協定の中でも防災相互協力の協定を結びまして、その中で水戸市がこういった協定の4市の中では原子力災害の可能性があるのは水戸市でございますので、水戸市が原子力災害、万一そういった場合には他の3市が協力をすると、避難に関して協力をするという規定を入れております。そういった形で今回この県の広域避難計画に沿って水戸市の27万人の市民のある程度避難計画ができたとしても、おっしゃるように、それが必ず計画通りに実際に行くかどうかというのはその時の状況、そういった災害が起きた様々な原因、そういったものによって色々状況が変わってまいりますので、そういった意味ではそれ以外の県外の都市においても受け入れについて協力をいただけるという確約をいただいたということは大変心強いという風に考えております。

それから、この県の計画につきましては、県外の部分につきましては県が隣接5県、福島も含めまして隣接5県と今後調整していくわけですけれども、国のワーキングチームとも協力しながら各隣接県と具体的な避難の行き先については、なるべく隣接している地域で一体的なまとまりがなるべくとれるような形で検討して調整していくということで県知事のほうも記者会見の中でそのようにお答えしている状況でございます。」

田口米蔵委員長:

「はい。江尻委員。」

江尻加那委員:

「私の意見としては最後ですけれども、本当に水戸市は県から示された叩き台で、ひとまず今の段階では良しとしてこれに沿って水戸市の計画を作ろうと、それで市民の皆さんに道理ある説明ができて納得が得られるということで考えていらっしゃるのかな、と。そこは大きな疑問が残りますけれども、とにかく県の初めて示した叩き台の中での想定というのは、巨大な地震や津波は起こっていなくて、東海第二原発の単独事故だけが起こったという場合に限定しての今回の案ですから、複合災害というもう既に経験済みのより厳しい状況を想定した計画づくりというものこそ求められているという風に思っておりますし、その実効性は誰が検証して責任持つのかっていうことが最後まで疑問が残ります。

そして、最後、先ほど、高野課長は防災会議でもちろん最終的に諮って決めるということですけれども、県ももちろん茨城県の防災会議が設置されておりますけれども、この広域避難計画に当たってはとりわけ原子力災害対策の検討部会という中で専門的に審議をしていこうという検討部会が設置されておりますので、今、水戸市は本当に具体的な避難計画の策定作業っていうのは地域安全課を中心とした執行部内で今、その作業を進めておりますけれども、その執行部の中で策定を進めて案を作ったものをポンと最後、防災会議にかけるっていうことなのか、やはりその間できちんともう一段階、検討部会、専門部会、市民の方々も含めた災害対策のやっぱり検討が深められる部会なり専門会が必要じゃないかと。それ抜きに執行部と防災会議ということでは、防災会議の会長が水戸市長ですから、私としてはそれだけではこの陳情にあるような市民への事前の避難計画づくりに対しての意見の反映とかっていうことには応えられないんじゃないかと思っております。この一点だけ、もう一度、今の時点でのお考えなりあればお答えいただきたいと思います。」

田口米蔵委員長:

「はい。高野地域安全課長。」

高野地域安全課長:

「はい。この県の広域避難計画の中で、全体的に県内のUPZ、30キロ圏内がその外に避難していくに当たってはそれぞれのルートが交錯しないように、あるいはそれぞれの住民の方がなるべく短時間のうちにそれぞれの避難先へ到達できるように、そういったことも含めて県のほうで色々これからも具体的に検討しながら、全体的な県全体の避難計画を策定していくわけで、それに沿った形で水戸市としても、水戸市だけが勝手に単独で県の計画と整合しないような形で計画を作るわけにはまいりませんので、水戸市としてもそういった県の全体の計画に整合した形でそれぞれの具体的に示された市町村と、具体的にはそれぞれの市町村のどこの施設にどれだけ入れるのか、そういったことがこれから水戸市と避難先の市町村との協議になってまいりますので、そういった具体的な部分につきましてはそれぞれの避難先の市町村と協議しながら市としての具体的な実効性のある避難計画を策定していきたいという風に考えております。」

田口米蔵委員長:

「他にありませんか。はい。伊藤委員。」

伊藤充朗委員:

「今日、江尻さんが前回、提出を求めたこの広域避難計画なので、これに関わる質問というのは先に言おうと思ったのですが、この避難計画案というのは水戸市の独自の考え方がきちっと県のほうに届くというか、こういう形で要するに変更を求めることも可能なんですか?」

田口米蔵委員長:

「はい。高野地域安全課長。」

高野地域安全課長:

「はい。水戸市としてもこの今回の叩き台で示されたように県内だけでも9市町にまたがるという避難先になりますので、そういったことも含めてなるべく一体的なまとまり、避難先で、水戸市民が避難したとしてもなるべく地域的にまとまりがあるような形でお願いしたいということで県のほうにも要望しておりまして、県内だけと更に県外への部分も含めて隣接する県外の地域でもなるべくまとまりがあるような地域で避難先が調整できるような形を県のほうにも水戸市としては要望しているところでございます。」

田口米蔵委員長:

「はい。伊藤委員。」

伊藤充朗委員:

「あの、地域のエゴでお話しするわけではないんだけど、水戸市の場合には水戸市の住民をいかに他県に対して安全に移動させることができるかということをまず考えればいいと思うんですよ。

その場合にね、まず水戸市の西部地区、見和、見川、それから要するに河和田だよね。鯉渕はもちろん友部のスマートインターチェンジでいいんだろうけど。通常この地域の方がね、東京に行く、ひたちなかに行く、いわきに行くっていう場合にどこを使っているかと言うと、水戸インターチェンジなんですよ。日常から逸脱した経路っていうのは、結局その人にとっては負担になるし、それと同時にそこには向かわないんだよ。考え方は。どうしてこの水戸市の西部地区が茨城町の西インターだとか友部のインターに行ってしまっているのかっていうのは甚だ疑問なんだ。皆さん方の中にもこの地域に住んでいらっしゃる方がいらっしゃるだろうけれども、現実に例えば自分が高速に乗るときに、茨城町の西インターとか、友部のスマートインター、ここまで行ってる方、いらっしゃらないと思うよ。通常はこの地域の方は全て水戸インター。こういう通常日常活用されているルートと違ったルートを避難経路として認めていくと言うか認定していくという、これを受け入れる水戸市の考え方が甚だわかんないんだけど。様々な形でルートがあるので、そこでやっぱりいろんな煩雑な事故が起きたり、ルートとしては障害が出るということはもちろんこれはわかりますよ。人を分散させるということだから。だけど、通常のルートはこのルートであれば、避難する場合のルートはこのルートを使うんですよ。こんなのは徹底できないよ。市民には。だから、これは県の言い分を水戸市が受け入れたとしても、いざ災害になった時にこの行動は水戸市民は取れない。こういう事に関して水戸市がどういう風にこれを受け止めているのか。あえてちょっとお聞きしますので、お答えをいただきたいという風に思いますが。」

田口米蔵委員長:

「はい。高野地域安全課長。」

高野地域安全課長:

「はい。あくまで叩き台でございまして、県のほうでこの叩き台を作るにあたって、基本的な考え方としてはルートがなるべく交錯しないような形でなるべく短時間でこれだけの人数が避難できるような計画にしていく必要がある。こういった中で水戸市はやはり人口一番多い市でございますので、そういった27万人がなるべく短時間のうちに避難できる形にするためには極力進入するインターチェンジもなるべく分散させる、そういった考えのもとにこの叩き台が出来ているものと思います。

実際、これから水戸市としても市の広域避難計画を策定していくに当たっては色んな市民の意見を聞きながら策定した計画につきましてはもちろん、市民に周知していく必要があると思いますけれども、そういった今の伊藤委員のご指摘も含めまして今後、具体的に検討していく中でそういった部分についても具体的な検討にしてまいりたいと思います。」

田口米蔵委員長:

「はい。伊藤委員。」

伊藤充朗委員:

「参考資料に対する質問なのでこれで一応やめますが、県のほうで考えている避難という、人数ということを考えて、これ意外と、道路の状況であるとか、それから最短距離とかそういう事を考えないで、人数だけを立て分けて作った資料だと思ってるよ。こっちのほうに何人行って、こっちのほうに何人行けば、ある程度平等性があって比例的に避難ができるんじゃないかなっていう、間の経路はあんまり考えていないですよ。このインターの入り口のところで何名の人がはけていけば実際にある程度平等にはけるっていう人数のはけ具合だけを考えているわけであって、そのインターまで行くルートであるとか経路を、この部分を考えないで経路を作っていると思いますよ。そういう面では、高野さんにお願いしたいのは水戸の実情だよね。水戸の市民が日常的にどういうルートを使って生活をしていらっしゃるのか。この生活圏の利用方法っていうのか、ここの部分に立って県のほうに意見を申し上げてほしいんですよ。一番多いのは水戸市ですから。人数が多いのは。ここがある程度ルートを考えていけば、その水戸市を中心にしたところで現実に、あのこれエゴかもしれないけど、現実に水戸市がそういう震災に遭って道路が遮断されたりしたときに、水戸市が中心になってある程度意見を述べていくべきだと、僕はそう思いますので、そういう面では基本的には向こうから来る方も、水戸の市内を通る方もいらっしゃるだろうし、そういう面では水戸市が中心となって考えなくちゃならないと思っています。そういう面では、住民だけではなくて、隣接市町村の方に対してもある程度スムーズな移動ができるようなそういう形を水戸市のほうから提案すべきであると思いますので、これは意見としてお願いをしておきたいと思います。

この陳情については基本的には前回も、傍聴の方ももちろんいらっしゃるんだけれども、基本的にこの4項目の再稼働の中止・廃炉を求める意見書っていうのが、この陳情については基本的な概念になってしまうと思うんですよ。やっぱり我々、前例があって、基本的に慎重な対応をすべきことっていう意見書を国のほうに上げてますので、それを逸脱して、基本的に本会議の議決事項ですから、これを逸脱してその前に進むことはもちろん違和感持ってるし、それからこの「原子力委員会より厳しい新基準が照らした安全確保は非常に困難であるということで再稼働には疑問と不安を抱いております」ということなんだけれど、原子力委員会が厳しい新基準を照らしてやるとすれば、東海第二原発は間違いなく老朽化しているので再稼働なんかあり得ないんですよ。そういう面では基本的に原子力規制委員会の新しい基準に従った形での方向性を見出していきたいという風に思っておりますし、それと同時に間違いなくそういう方向性になっていくんだろうと思うんだけど、ただ、議会として前例があって意見書を上げたという経緯があってそういう部分があるので、前例の議決事項を踏襲していきたいという意味からも、この問題については推移を見守るという風にさせていただきたいなと思っています。それと同時に、この陳情についてはやっぱり防災計画の策定と1、2、3、これは今、一生懸命やってらっしゃるから、これについては十分意は反映されていると思うんですが、1、2、3と4についてはあまりにも趣旨が違いすぎる。こういう事も含めて、どこが主なのかといったら4番なんだろうということであるならば、基本的には我々は前例の本会議での議決事項を踏襲して見守っていきたいというのが現状だということです。継続にしていただきたいと思います。」

田口米蔵委員長:

「はい。飯田委員。」

飯田正美委員:

「はい。私はまず資料をですね、広域避難計画について資料を出していただきましたので、これについての意見を述べさせていただきたいと思います。結局、広域避難計画も実効性のある計画でなければならないと思います。そういう意味で、先ほど伊藤委員が言われましたインターチェンジを使う場合ですね、交錯しないように、こういった机上の空論という感じですね、実際は使わないようなところ、インターを各地で使うようになっていますので、こういったものはぜひ見直しが必要なんだろうと思います。

それとあの、やっぱり事故想定ですね。事故想定によってすべてが変わってしまうのですが、結局、地震だったら震度6の場合と震度7の場合の災害の復旧計画を含めた対策が変わってしまうように、今回も巨大地震とか津波とかいう事を考えないで単独事故ということでやっていけば、それはそれの想定でやるわけですから道路が陥没したり、橋が渡れないとか、そういったものが全部クリアされた内容で計画されるわけですから、これがやっぱり実態と合わないという風に思います。

それとですね、この避難計画と輸送の関係ではですね、乗用車を持っている方については家族含めて乗用車に乗って避難することができるでしょうが、そうでない方については公共の輸送のバスとかそういったものを使わなくてはなりませんが、そういったものも果たしてどの程度確保できて運行できるのか。

あと、県外の受け入れ施設も、県内については体育館や公民館が既に考えられておりますが、県外については水戸市は水戸市で独自に県外のほうと交渉・調整ということでありますが、こういった面についても何か月ぐらい収容できるのかとか、そういうものも含めてこれから作るということがあるでしょうし、

あと、病人がいたり、要援護者の支援ということで、やっぱり逃げたくても逃げられない方というのがいるわけですから、こういったことを含めますと、本当に県で広域避難計画をいくら作ろうとしましても、市のほうの計画というのは本当にですね、難しい面が多々あると思います。そういう意味ではやっぱり最悪の想定も含めながら県のほうにきちんと意見を言ってですね、進めていただきたいと思います。これは意見として述べます。」

田口米蔵委員長:

「はい。江尻委員。」

江尻加那委員:

「私もこの陳情に対する意見としましては、先ほど伊藤委員もおっしゃったように1から3については、今のこうした水戸市の避難計画もしくは防災計画策定づくりに徹底してこうした市民の声を反映するというところについては、この陳情の趣旨をいかすべきだと思っておりますし、(4)についての東海第二原発の再稼働中止と廃炉を求めるということについては、既に趣旨採択ということで水戸市議会では意見として表明されております。そして、私はやっぱり県が初めて出してきた叩き台、かなり長い時間をかけて検討してきたと思いますけれども、本当にもう県に突き返していただきたいという風に思います。こんなことでは市民の安全守れません、と言う風に、先ほど飯田委員もおっしゃいましたが、机上の空論にならざるを得ない。100万人の避難なんて到底不可能なのに、それを作らなくちゃいけないから矛盾が生じるっていう、このジレンマだという風に思っております。

そして、5月20日に日本原電は新規制基準に適合するかどうかの審査の申請を出しました。再稼働には直結しないと言って、そして水戸市長はじめ首長も再稼働には直結しないということなので申請を認めたという風になってはいますけれども、今まさに作らなくてはいけないとされている広域避難計画は、再稼働して原発が運転している真っ最中に本当に過酷事故、水戸市で一斉避難が命じられるのは空間線量が500マイクロシーベルトというとてつもない、そんな空間線量が20キロ離れた水戸市で万が一測定されるような過酷事故が起きれば、避難できればいいっていう問題ではもう済まない。たとえ1週間、1か月かけて避難できたとしても帰ってこれないぐらいの過酷事故が想定されてるんじゃないですか?空間線量500マイクロ?本当にもう信じられないような過酷事故の想定で避難計画を作らなくちゃいけない。なんでこれが再稼働に直結してない?再稼働した上で事故が起きた場合の避難計画を作りなさい、って言われているこの矛盾に水戸市としてきちんと、国に対しても、事業所に対しても、県に対しても、意見を言っていただきたいという風に思いますし、私としては、本当に廃炉作業でさえ、危険性と困難を伴いますけれども、廃炉にすることが一番の安全対策だと思っておりますので、ぜひこれから水戸市がどのように他の市町村、各県、それから茨城県と協議を進めていこうとしているのか、今後のスケジュールの中でおうかがいしていきたいと思いますけれども、曲りなりにもこの県が出してきたものに整合性を取ろうということはすべきじゃないんじゃないかと、整合性なんか取れないという風に私は思っております。これは意見になりますけれども、陳情については継続ということで、この市民の意見は各段階で水戸市としても反映していただきたいという風に思います。以上です。」

田口米蔵委員長:

「はい。須田委員。」

須田浩和委員:

「私は、先ほど資料を提出していただいた部分に関しては、水戸市民としては具体的になっていったときに問題があるのかなと、伊藤委員や皆さんから出たように。そこらへんはよく精査して、無理なものは無理ということで意見を県のほうに伝えていただきたいと思っています。

それから、この陳情の件なんですけれども、私は実は廃炉することが水戸市民に対して今、一番安全な方策であると私は思っていません。というのは、廃炉しないで、これから安全基準に合わせますよ、ということを原電のほうで言ったことで、電力5会社から確か1200億以上のお金を今、原電のほうで設備維持費として1200億円もらったということが確かあったと思います。それによって今、日本原電のほうは経営が成り立っている。それでその中で、今じゃあ廃炉にしますよということが出てきてしまったら、設備維持費の1200億円が来るかどうかわからない。そうなると、現在のものを廃炉していくに当たって、例えば、今度、防波堤を大きくしますよというような報道もありましたよね。それから、可燃性の塗料を使っているものを今度、不燃性にしますよと、そういうような安全対策を今、やっている。というのは、原電のほうでは今、稼働しますということによって電力会社からお金が来る。それによって防波堤が大きくなったり。それから、不燃性のコードにしてみたり。色々な対策をしている、ということを考えれば、今、廃炉というものを打ち出して、このままの状態で廃炉に関しても、最低でも10年、長ければ30年かかるとしても、40年かかるかもしれない。これは分からない。そういう中で、防波堤を伸ばせない中で、それをそのまま廃炉すると言ったってなくなるわけじゃないですから。すぐには。その間、それによって廃炉していくのは大変危険だと私は思っていますので、今のところは原電の言う安全審査に乗っ取ってやっていくというものに賛成、そこは認めまそう。それによって安全確保策をしていきましょうというのが、実は今、現実的に水戸市の市民を守る最良の方法だと思っています。その一方で、私としても、この陳情にあるように東海原発を廃止しようという気持ちは大変、市民に中に広がっている。不安も広まっている。だから苦肉の策として、その後、再稼働に直結はしないんですねというのを何度もうちの市長が確認をしてきたわけであります。現にいま、35年経っている原子炉が、確か東海第二原発は35年だったと思います。今度の新しい原発の基準は40年ということを国のほうで出したと思っています。じゃあ実際、そういうことをやっているうちに40年ていう期間が来てまた延びるのか?もしかするとそこのところで採算性が合わないのか。多分、そう考えると原電のほうも今現在持っているのは、敦賀と東海だけ。そう考えると敦賀のほうが運転できないという現状でありましたら、やっぱり東海のほうをやっていくよということによって電力会社から金をもらう。そしてそれによって私たち水戸市民の安全を守ってもらうということが最良だと思っていますので、私はこれ(陳情)に関しては一概に賛成はできない。

しかしながら、この陳情はとてもよく分かります。私の家内も「おっかないね」といつも言っています。周りの人間も、子どもがいる人はみんな言う。そう考えれば、今の現状のまま、推移を見守っていくということで継続というのが、私は今の水戸市民にとって最良の方法と思っていますので継続でお願いします。」

田口米蔵委員長:

「はい。他にご意見はございますか?それでは、ただいま、県の広域避難計画ならびにこの陳情につきまして、それぞれご意見をいただきましたが、本陳情につきましては引き続き継続審査にいたしたいと思いますがいかがでしょうか?」

「はい。ご異議なしと認め、継続審査とします。なお、本陳情につきましては当委員会から議長に対しまして、閉会中継続審査の申し出を行うことになりますのでご了承願います。以上で陳情審査を終わります。」

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(※委員会会議録

http://www.city.mito.lg.jp/gikai/003417/index.html

委員会の公式記録は後ほど↑で公開されると思います。)


※原発事故からの避難時に高速道路が使用可か不可か(県警警備課長からは緊急車両以外通行しないでほしいとの意見)という件に関しては、この後の議論…?

https://twitter.com/t2hairo/status/501515443618578432